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<Macなテキストエディタ : Vim編>

 ここでは、Emacsと双璧をなす高機能なテキストエディタVim/Viを Macネイティブなアプリケーションとして移植したMacVimの紹介をします。

 Viの改良版であるVimは、キーボードのホームポジションから大きく手を動かす事無く、 あらゆる処理をキー操作のみで行え、高い拡張性をも備えた、UNIX環境で誕生した著名なテキストエディタです。 その操作性から一度手に馴染んでしまうと、他の環境であってもVim無しでは作業ができないと思える程で、 その結果Windows、MacOSXなどにも移植され、また多くのクローンも開発されています。 今回紹介するMacVimは、そんなMacOSXに移植されたVimの一つです。 MacOSXのネイティブなアプリケーションとして移植された、そんなMacVimの特徴は(おおよそ本家より)、
  • Safariスタイルのタブ切り替え表示(複数窓も併用可)
  • 背景の透明化
  • MacOSXライクなキー操作(もちろん従来のVimな操作も可能)
  • システム標準の入力メソッド("ことえり"など)での日本語入力
  • GUIなダイアログ(未保存の確認など)
  • マルチバイト対応(日本語の表示が可能)
  • '08/02現在、開発がアクティブに続けられている
今回はそんなMacVimの導入について紹介します。
(以下はVimを知らない、あるいは知っているがあまり使い込んでいないというライトユーザー向けです。 .vimrc 等を自前でスクラッチで書ける人や、オリジナルの設定ファイルなどを誇示する人は対象としていません)

 本家からダウンロード、解凍して展開します。 中に入っている mvim はターミナルなどからMacVimを呼び出すスクリプトで詳細は後述します。 MacVimの設定は .vimrc/.gvimrc 内で行いますが、これらの設定ファイルに慣れない人、 特に日本語環境まわりなどの設定は香り屋で配布されているものを用いると便利です。 '08/02現在、最新版の7.1はWindows版の自己解凍書庫のみしか配布されていませんが、 解凍さえしてしまえば、中の設定ファイルなどはMacOSXでも用いる事ができます。 展開後、中の vimrc/gvimrc をそれぞれホーム直下に .vimrc/.gvimrc として保存します。 加えて、日本語のテキスト形式の設定の為にvimrc内で呼んでいる encode_japan.vim を runtimeディレクトリ内から適当な場所(例えば~/local/share/vim)にコピーします。 これに伴い、~/.vimrc内の該当箇所を修正します。

"source $VIMRUNTIME/encode_japan.vim
source ~/local/share/vim/encode_japan.vim
 ('08/02現在だと87行目、~/local/share/vim に配置した場合)

 .vimrcはコンソール/GUI共通の設定、.gvimrc内ではGUI時固有の設定を行います。 先ほどコピーした香り屋の設定ファイルは設定と共に丁寧な注釈があるので、 それを参考にしながら、自分好みにカスタマイズを行います。 加えてMacVim固有/関連の設定を.gvimrcに追加します。 例えば私は以下のような内容が最後に追加してあります。

if has('gui_macvim')
    set showtabline=2	" タブを常に表示
    set imdisable	" IMを無効化
    set transparency=10	" 透明度を指定
    set antialias
    set guifont=Monaco:h14
    colorscheme darkblue
endif

 ポイントは、has('gui_macvim') でMacVimである事をチェックして、その中でMacVim専用の設定を行っている点です。 transparencyについて、通常のGVimは0(透明)〜255(不透明)、MacVimは0(不透明)〜100(透明)と異なるようなので個別に設定しています。 guifontについて、一部のフォントでは日本語入力で未確定時の表示が重なって見難くなる問題があるようです('08/02, snapshot-20で確認)。 ちなみにVim for Mac OS X向けの設定を行いたい場合は has('gui_mac') でハンドルできます。

 先ほど割愛した mvim について、これは先の説明通りターミナルなどシェルからMacVimを呼ぶスクリプトで、 システムなら /usr/local/bin など、個人なら ~/local/bin などPATHの通った所に置いておきます。 MacVimをアプリケーションフォルダにインストールした人は問題ありませんが、 共用のMacなどで個人の領域にインストールした場合、mvimは正しくMacVimを起動できない場合があります。 この場合、インストールした場所を VIM_APP_DIR という環境変数で宣言する事で正しく動作させる事ができます。 例えば ~/local/Applications/ 以下にインストールした場合、以下のように環境変数を設定します(デフォルトのbashな人の場合)

export VIM_APP_DIR=~/local/Applications/

 日本語環境を念頭にMacOSXネイティブなアプリケーションに移植されている別の選択肢として、 Vim for Mac OS Xなどがあります。


参考:http://relaxedcolumn.blog8.fc2.com/

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