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<MacOSX 10.5 Leopard を使いこなす!>

 Leopardのインストールディスク自体は早くから手にしていたものの、 目先の用事に追われてなかなか手をだせずにいた私も、遅ればせながらようやくLeopardへの移行を果たしました。 しかしTiger以前からのユーザーにとっては、いくつか思い通りにいかない事もあるようです。 今回は、そんな懐かない "彪" を飼いならしてみよう!

 ここでは以下の項目について説明します。
   ・Spacesについて
   ・QuickLookについて
   ・X11について
   ・オススメ!なアプリケーションについて
   ・MacPorts/Finkについて
   ・Safariについて
   ・ログイン画面の背景について
   ・参考ページ


 Spacesについて

 MacOSXの仮想デスクトップとしては、以前からDesktopManagerやVirtueDesktopsがありましたが、 SpacesはOSがネイティブに実装しているという意味では歓迎するべきでしょう。 その特徴の一つが、目的のアプリケーションを選択すると、 該当アプリケーションのウィンドウがある仮想デスクトップに自動で移動する機能です。 裏を返せば、いくつかのデスクトップに同じアプリケーションを開けない(実際には開けるが、極端に開きにくい)という事です。 これは仕事別に複数のデスクトップにターミナルやFinderを開き散らかす私のような使い方をする人にとっては都合が悪い。 なかには「Spacesは task oriented ではなく、application oriented だ」などと悪口を言う人もいるようですが。 そこで、この画面の自動切り替え機能を無効にしてDesktopManagerやVirtueDesktopsのように使える方法を以下に示します。

 ターミナルから以下のようにコマンドを入力します。(MacOSX 10.5.2以上が必要)
$ defaults write com.apple.dock workspaces-auto-swoosh -bool NO
$ killall Dock


 QuickLookについて

 QuickLookもLeopardで新たに追加された新機能の一つです。 が、デフォルトでQuickLookできるファイルの種類にもう一声欲しいところです。 このQuickLookは、.qlgeneratorというプラグインで拡張する事が可能です。 以下ではこのQuickLookの拡張プラグインをいくつか紹介します。

 はじめに紹介するのは、Archive.qlgenerator。 名前の通り、zip/tar.gz/tar/7z/lzh/jarなど数多くの圧縮ファイルを展開する事なく中身をリストする事ができます。

 次に紹介するのは、qlcolorcode。 C/C++/シェルスクリプト/python/CSS/xmlなど数多くのプログラム言語・スクリプトファイルを見やすく色付きで強調表示してくれます。 残念ながらデフォルトでは日本語の文字は化けてうまく表示できないようです。[追記]

 次は、JapaneseText.qlgenerator。 言語環境によりデフォルトの文字コードは異なるようですが(例えば日本語ならShift-JIS)、 このデフォルトの文字コード以外の文書をQuickLookで開いた場合、文字化けしてしまいます。 この拡張は文字コードを判別して正しく表示できるようにするものです。 手元で試してみたところ、日本語で使われそうなShift-JIS, EUC, UTF-8などは正しく表示できました。[追記]

 最後は、EPSQLPlugin。 EPSファイルをQuickLookできるようになります。 また、設定により先頭1ページのみですがPSファイルも表示できるようになります。 その設定方法ですが、インストールしたEPSQLPlugin.qlgeneratorを右クリックしてパッケージの内容を表示し、Contents/Info.plistを開きます。 その中の Root/CFBundleDocumentTypes/0/LSItemContentTypesに、com.adobe.postscriptを追加します。 こうして保存するとPSファイルの先頭ページもQuickLookできるようになります。

 蛇足として、システムは知らない種類のファイルだけど実はテキスト形式のファイルをQuickLookする方法を紹介します。 EPSQLPluginでPSファイルを開けるようにする際に紹介したのと同様に、 JapaneseText.qlgenerator or qlcolorcode.qlgenerator(あるいは /System/Library/Frameworks/QuickLook.framework/Versions/A/Resources/Generators/Text.qlgenerator)内のInfo.plistを開き、 先と同様にLSItemContentTypesに public.data を追加します。 例えバイナリであっても無理に開こうとするので、そのへんは十分注意の上で自己責任でお願いします。

[追記]
qlcolorcodeの文字化け対策を紹介します。 あちこちでnkfなどを用いた対処法が書かれていますが、どれも勝手がイマイチなので別の方法を示します。 まずmacports/finkなどで nkf をインストールします。 次にインストールしたQLColorCode.qlgeneratorの"パッケージの内容を表示"して、 中に含まれる ~/Library/QuickLook/QLColorCode.qlgenerator/Contents/Resources/colorize.sh を開きます。 30行目に以下のように utf-8 のオプションを追加します。
--encoding utf-8 --font-size $fontSizePoints ${=extraHLFlags})	# line30

34行目の reader を以下のようにします。(nkfのpathは自分の環境に合わせて変更してください)
reader=(/opt/local/bin/nkf -w $target)	# line34

こうすると、とにかく日本語を正しく表示するようになり、かつ色付き強調表示できるものは強調表示、 できないものはそんな拡張子は知らんというメッセージの後、強調表示をせずに白黒で通常表示を行います。 文字サイズも大きく見やすく、日本語も正しく表示でき、不明なファイルも通常表示できる仕様になったので、 前述のLSItemContentTypesを弄る方法で public.plain-text や public.data に関連づけてしまうのがオススメです。


 X11について

 Leopardから標準でインストールされるようになったX11ですが、 中身もXFree86からX.Orgに代わり、様々な仕様変更も加えられ、ほとんど別物のようになりました。 そんなX11について、.xinitrcや.Xresourcesを無視しているというような記述も見かけますが間違いです。 起動時に両者をきちんと読んで反映させています。 この誤解の原因はおそらく.xinitrcからxtermを削除しても相変わらず起動時にxtermがあがるからでしょう。 これは ~/Library/Prefrences/org.x.X11.plist を開き、その中の app_to_run を /usr/X11/bin/xlsclients に変更する事で対処できます。

 もう一つ、例えばgvをX11で表示させると、Tiger以前とくらべて、メニューなどの表示が大きくて見苦しいです。 これはLeopardのX11では100dpiのフォントがデフォルトに設定されているからのようです。 そこで以下のような記述を ~/.xinitrc に追加します。

xset fp- /usr/X11/lib/X11/fonts/100dpi/
xset fp+ /usr/X11/lib/X11/fonts/100dpi/


 オススメ!なアプリケーションについて

 オススメ!なアプリケーションに紹介しているソフトのLeopardでの挙動について紹介します。

・ABCLaunch
初期設定のSpacesでは、呼び出す度にデスクトップが切り替わってしまい、 単一のデスクトップにしかアプリケーションを起動できません。 本ページのSpacesの設定でデスクトップの自動切り替えを無効にすると、 今いるデスクトップにアプリケーションを開く事は可能ですが、 ABCLaunchの入力画面が見えないのが不便です。 そこでSystemPreferenceのSpacesのアプリケーションの割り当て設定から、 ABCLaunchの割り当てを"すべての操作スペース"にします。 こうする事で、今いるデスクトップにABCLaunchを呼び出す事ができるようになります。

・SwitchToUS
配布元にも説明がありますが、インストール先を個人の ~/Library/InputManager ではなく、 システムの /Library/InputManager にする事で動作します。


<過去に紹介していたソフト>
・DesktopManager/VirtueDesktops
両者とも一応動かす事は可能ですが、何とかしてSpacesを使う方が安定している気がします。 それでも、キー操作でウィンドウを隣のデスクトップに飛ばしたい、デスクトップ切り替えのエフェクトが面白くないなど、 どうしてもDesktopManager/VirtueDesktopsを使いたい人のためのTipsを紹介。

VirtueDesktops 0.5.4b5はそのままではLeopardでは動きません。 root権限で /var/root/Library/Application Support を作成した後、 ターミナルなどから以下のコマンドを打てば起動します。

$ sudo /Application/VirtueDesktops.app/Content/MacOSX/Virtuedesktop

DesktopManagerは一応動きはしますが、切り替え時に現在いるデスクトップ名が表示されなかったり、 メニューバーから操作しようとすると不正終了します。 DesktopManagerが作る仮想デスクトップとSpacesは同じものをみているようで、 DesktopManagerのショートカットキーでSpacesの操作スペースを移動する事ができたりします。


 Macports/Finkについて

 FinkはUNIXの資産をMacOSX上で用いる上で便利なツールで、ものによってはわざわざ自分でコンパイルしなくても、 バイナリをダウンロードするだけでインストールが完了というものもあります。 しかしLeopardにおけるFinkは、このバイナリインストールは不可の模様で、 Unstableまで含めても登録されているアプリケーションの数はTigerまでと比べずっと少ない。 そこで、同じくパッケージ管理ソフトとして最近台頭してきているMacPortsはいかがでしょう? 登録されているアプリケーション数は5000以上あり、Finkのそれを上回ります。 またGUIアプリケーションとして、FinkにFinkCommanderがあるように、 MacPortsにもPorticusがあるので、CUIに慣れない人でも大丈夫です。

 私はシステムモニターのgkrellmを入れようとしたのですが、Leopard版のFinkには登録されていないし、 Macportsには登録はされていますが、色々試行錯誤して最後まで通してもバイナリができあがっていません['08/04現在]。 そういう意味ではLeopardへの本格対応にはもう少し時間がかかるという事でしょうか? ちなみにMacPortsでコンパイルが成功して導入できたものたち:lv, wget, rdesktop, emacs, nkf, yasm, gkrellm

 ['08/11 追記]
 Macportsのgkrellmのportがv2.3.0からv2.3.2に変わっていたので、改めてビルドしてみるとすんなりビルド成功。 ただし最近ユニボディのMacBookを買った友人は、依存関係で必要なgtk2のビルドに失敗して最後まで完走できたかったらしい。 私は以前に試した時に gkt2 2.12.9_x11 を既にビルドしていたため問題なかった模様。 自分では試していませんが、参考に古いバージョンのportをインストールする方法↓。
http://journal.bitshaker.com/articles/2007/10/20/install-old-versions-of-ports-using-macports/
http://www.stephenchu.com/2006/12/specifying-ruby-184-to-install-using.html


 Safariについて

 Safariのタブバーを常に表示するには、v2系までとは異なりメニューバーの表示から "タブバーの表示" を選択します。


 ログイン画面の背景について

 ログイン画面の背景画像は、/System/Library/CoreServices/DefaultDesktop.jpg を変更する事で変更可能です。 細かい点ですが個人的にはAurora.jpg(デフォルトの壁紙)は、Macのイメージに合わないので…。 例えばAqua Blue.jpgをDefaultDesktop.jpg とリネームしてコピー。


 参考ページ

・宇宙線実験の覚え書き : http://blog.livedoor.jp/oxon/
  コメント:東大大学院物理で宇宙ガンマ線実験をしている、ROOT+Mac:Leopardな方。

・【コラム】OS X ハッキング! : http://journal.mycom.co.jp/column/osx/258/index.html
  コメント:Appleの製品について様々な情報を紹介。上記ページはQuickLookについて。

・Beginning OS X 10.5 : http://osx.miko.org/index.php/Beginning_OS_X_10.5
  コメント:UNIX WorkstationとしてヘヴィーにLeopardを飼いならしていると思われる方。

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